覚悟
ベストボディ・ジャパン佐賀県大会に出場した。
勝てると思っていた。
大した努力もせず、ただ今までの経験と根拠のない自信で入賞できると思っていた。
大会前に仕上がった体は自身で見れば、十分大会に出れるだけの状態ではあったが、客観的には努力不足が見え隠れする体だったのだろう。
控室の熱気の中でも、まだ行けると己を鼓舞していた。
前後に挟んだ屈強な体を感じつつ、全力でパフォーマンスを行った。
予選のピックアップにコールされる。
この時点で上位入賞は厳しい、当落ギリギリということである。
ステージ上、規定ポーズを再度行う。
何度も練習を重ねてきた動きだが、緊張のためかやはりぎこちない。
フリーポーズで決めれなかったのは、もはや取り返しのつかない状況なのだろう。
控室にて決勝に進む番号が読み上げられる。
自身の番号は無かった。
勝つための準備はしてきた。
だが及ばない。
小手先の技では覆せない軀が目の前にあった。
だが目の前には辿り着くべき場所が明確に見えている。
あとは躰を作り出すために必要なトレーニングを学ぶだけだ。
今年は負けたが来年は勝つ。
再来年は東京に行く。