シスプラチンとは

本日のケモセラ 一発目を飾ったシスプラチン!名前はかっこいいのですが、いったいどんな物質なのでしょう。 化学的に言えば、白金とアンモニアと塩化物イオンとなります(2CL+PT+2NH3) 当然ながら自然界には存在せず、イタリアにてアンミン錯体の研究材料として合成されたようです。

それから100年、何に使われるでもなくただの研究材料だったシスプラチンですが、1965年アメリカにて細菌抑制と電磁場の研究過程で偶然使ったプラチナ電極が、大腸菌の抑制によく聞くことが発見されました。 つまり 自然界に存在せず→とりあえず合成→電気を流すと菌を抑制という流れで、癌とは関係ない物質だったんですね。

その後、幅広い腫瘍にも効果があるとして研究が始まりました。 ただし1972年の研究ではシスプラチンにはつよい腎臓に対する毒性があることがわかり、一旦研究中止。 しかし、大量の水分投与と利尿剤を使えば腎障害を軽減できるという事例から、日本では1983年に抗がん剤として承認されました。

意外なのは思った以上に昔からある薬だということですね。

怖いことに法的規制は毒薬 シスプラチンを点滴しているときには、万が一の液漏れ等ないようにじっと針先を眺めておきましょうTT 又聞きですが、シスプラチンの液漏れは相当大変だそうです・・・

シスプラチンが癌に聞く仕組みとしては、癌が増殖する際に使うDNAのうちグアニン・アデニンという物質に結合しDNAの合成を阻害します。 そのため、細胞分裂の回数の多い癌細胞に対して強い抑制効果を生むということのようですね。 しかし人体には、癌細胞以外にも細胞分裂の多い細胞は数多く存在します。 血液や毛髪口腔内細胞など毎日分裂を繰り返している所なんかは有名ですよね。

なのでシスプラチンを投与すると、先ほどあげたような部分にも癌細胞と同じようにダメージが与えられます。 ということで脱毛や口内炎などの症状に悩まされているときには、癌細胞も同じように苦しんでいるはずだと考え直すようにしています。

中長期的な副作用とは別に、短期的に悪心・嘔吐といった症状も出ることがあったらしいのですが、こちらの病院ではあらかじめ制吐剤を点滴+経口投与してますので、私の場合は特に1日目2日目は問題なく過ごせております。

当然3日目からは吐き気と食欲不振に悩まされるのですが、それは5-FUのお話の時にでも・・・