開腹手術後の腸閉塞を防ぐために私が気を付けている3つのこと
胸部食道がんの内視鏡手術から50日を過ぎ、心身ともに順調に回復している私ですが、それでも13時間にも及ぶ大手術の後ということもあり、さまざまな術後障害に悩まされています。 代表的な術後の症状としては体重減少・ダンピング現象・腸の不調といったものがあります。
その中で今日は腸の不調に対する緩和療法について私なりに試していることを書いていきたいと思います。 もちろん腸の不調と一言で言ってもさまざまな状況・症状に分けられますので、現在おもに出ている症状から。
私の場合、食べ過ぎた時に100%に近いくらい発生する腸の疼痛、ゴロゴロポコポコ鳴る腹鳴、下痢と便秘のサンドイッチ等がよく出ています。 特に気を付けなければいけないのは、腸の動きが停止または停滞するために起きる腸閉塞という症状です。
腸閉塞とは、腸内にある食べ物・消化液・便が、何らかの原因により腸内に溜まってしまうものです。 これは他の症状のように安静にしていれば治るといったものではなく、重症化した場合命にかかわるような場合もあります。 食道癌だけでなく様々な開腹手術の後は、手術後の傷を治すために腸と腸、腸と腸壁などが癒着しがちです。 これをほおっておくと腸は正常な状態から遠ざかり、ねじれたり折れ曲がったままの状態で固定されてしまいます。 ただでさえ麻酔や開腹手術の為、腸の動きが緩慢になってますので術後3か月ぐらいは常に腸閉塞になるかもしれないと思っていてもいいかもしれません。 そのために私が日常的に気を付けている3つの事というのが
- 漢方薬を処方してもらう。 これは消化器系癌の術後は、その回復が順調であれば基本的にはPPI(プロトンポンプ阻害薬)や消化剤などが処方され担当医によっては漢方薬の案内自体がないことが多いです。 しかし開腹手術後の腸閉塞防止に関して言えばエビデンスもあり副作用も少ない漢方薬というのは非常にお勧めです。 漢方の場合一人一人の証というのがあるようで、ここでこれと一概に薬を紹介するのも難しいのですが 体力が低下しており、手足や腹部が冷えて、腸管の蠕動運動亢進、腹部膨満感、比較的強い腹痛を認める人(私のことです。)の場合大建中湯が証に合っているようです。
- 食べる食材を考える 腸閉塞になりやすい状況として考えられるのが悪玉菌などの腸内環境の悪化です。 一般的に腸内環境の改善方法としてよく出ているのが善玉菌や食物繊維の摂取ですが、善玉菌の摂取に関して言えば積極的に取っていきたいのですが食物繊維に関して言えば一概に取っていいものではないようです。 ただでさえ消化吸収能力の弱っている腸に大量の食物繊維を取った場合、取れるべきカロリーは摂取できず腸に対する負担ばかり増加するということにもなりかねません。 術後しばらくはワカメ・キノコ・こんにゃくといったゼロカロリーかつ食物繊維豊富な食材は控えたほうがいいように思います。
- 腹部を外部から刺激する 腸閉塞になるのが怖いからと言って食事をすることを避けて通るわけにはいきません。 特に術後の後遺症として体重減少がある私としては出来るだけ食べて体力を回復しなければという思いがあります。 といったわけで内部からの対策とは別に、外部からの刺激で腸を動かそうということも実践しています。 まずは腸のマッサージ♪ これは本も出ていますので詳しく知りたい方はそちらを参照していただくことにして、簡単に言うと腸を時計回りに順番に押していくという単純なもの。
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